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日本銀行
 
古くから外国に開かれた港町・函館。
かつて北日本随一の繁栄を誇ったこの街は、観光地として圧倒的なブランド性を保ちながらも、経済状況の面では長い間にわたって厳しい日々が続いている。
函館の地域経済が再び活況を取り戻すには、どんな課題があるのか、日本銀行函館支店の山澤光太郎支店長に現状と展望をうかがった。
■函館支店長
 山澤 光太郎氏
 
 
  1909年に建てられた金森倉庫は、1988年に倉庫の一部を「函館ヒストリープラザ」としてビヤホールやショッピング施設などの観光施設として転用された。その後、女性誌などで取り上げられたことにより全国的に有名になり、現在、全国各地で展開されている赤レンガ倉庫を観光施設に転用するリノベーション事例の先駆例となった。
 
  函館山ロープウェイをのぼり、標高334mの展望台から見る函館山の夜景は、「世界三大夜景」に数えられる有名なもの。函館市街が郊外に広がるにつれ、さらに美しさを増している。
 
  函館市北方民族資料館。1988年まで日本銀行函館支店として使用されていた。
 造船や北洋漁業といった、かつての花形産業が1970年代から1980年代にかけて退潮し、それに代わって観光都市へと変貌をとげてきた函館だが、こと経済面に限ってみれば、依然として厳しい状態が続いている。
 「函館に限らず、北海道経済はこれまで公共事業に依存する傾向が強かったのですが、行財政改革などの進展によって公共事業が大幅に削減されている中で、地元の建設業の受注額は大幅にダウンし、業況は大変厳しくなっています。現在の主要産業である観光業も、台湾・中国といった海外からのツアーが増えているものの国内ツアー客の入り込み数は低迷しています。また、水産加工業も原材料の高騰で芳しいとはいいがたい状態です」
 実際、日本銀行函館支店が公表している「管内企業短期経済観測調査」、いわゆる短観における企業の売上高・経常利益の推移をみても、製造業では下げ止まりの兆しがうかがえるものの、非製造業の悪化に歯止めがきかないという状況が続いている。では、函館の地域経済がこの閉塞的な状況を脱するにはどんな方策があるのか。
 山澤氏によれば、「管内の企業業績を仔細に見ると、実は好調な業績を維持している元気な企業もあります。低迷している企業との二極化が進んでいますが、好調な企業には共通項があります。それは、函館や、北海道のブランド力を生かしたオンリーワンの製品やサービスを生み出し、しかも道外を含む域外マーケットへ積極的に販路を拡大しているなどの経営努力が見られることです」
 ここに、函館の経済が低迷を脱するポイントがあると山澤氏は指摘する。すなわち、函館の地域特性を上手に生かした、函館でしか生み出せないオリジナリティーの高い商品やサービスを開発すること。そのためには、地域に眠っているポテンシャルをどれだけ発掘できるかにかかっているという。
 山澤氏は、「函館の西部地区にある何気ない街並みは言うまでもないですが、ちょっと足を延ばせば豊かな自然があり、よく知られていないが貴重な文化財もたくさんあります。豊富な水産資源にしても、学術研究のバックアップを得て高付加価値化していくことが可能です。掘り起こせばいくらでも資源になりうるものがこれだけ眠っている地域は日本中見回してもあまりないはずです。長期的にみれば、こうした好材料をどうやって経済に結びつけるかが大きなポイントになってきます」
 2005年には地域の悲願だった新幹線の建設工事がいよいよ着工し、市や地元経済界などが推進する国際水産・海洋都市構想も徐々に具体性を帯びつつある函館。足元の資源を見直し、それを従来の常識にとらわれないコンセプトで魅力に変えていくことができれば、函館の経済再生も進んでいくに違いない
 
日本銀行 Bank of JAPAN DATA
設立‥1882年10月
資本金:1億円
職員数:5059人
店舗数: 54
 (国内47 、海外7 )

日本銀行は、「日本銀行法」に基づいて運営されている、日本における唯一の中央銀行となっている。日本銀行券を発行し、その価値の安定させることで、銀行券の流通ルートである金融システムが安定的、効率的に機能するよう努めている。函館支店(函館出張所)は、1893年に函館出張所として開設された、日本銀行のなかで2番目に古い支店である

 

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